小島大虎 ロードアート ギャラリー

旅行風景画のインターネット・ミュージアム

エルボールーム・キャバレー / Elbow Room Cabaret

 フェアバンクスはこの季節は白夜なので夜になっても夕方のようだった。
 この絵を見て「アメージング!」と大げさに驚いていた男がいた。 彼はクレイさんといって、アンティークショップではたらいている。 
 彼は通りで私が絵を描き終わるのを待って、アラスカの有名なパイプラインや丘からのフェアバンクスの展望風景を見せに、白夜のドライブに誘ってくれた。 年はほぼ同じくらいで、私は片言の英語だったが話していて愛嬌があり、まるで学生時代の友人のようだった。 
 四輪駆動のピックアップ・トラックであっちこっち行って、歩き回ったり話をしたりして、気づくとすでに深夜12時近くになってしまっていた。 よそから来たばかりのものにとって、白夜は時間の感覚が無くなってしまうのだ。 
 深夜近くになり、ホテルに送り届けてもらって別れた。 別れ際、「ムースって動物も見せたいんだ。 夜ばかりの季節にもまた来てくれよ」と言っていた。 ■ 

 


Artwork & Note: DAIGO KOJIMA
2004/11040602
PICTURE:373×277mm
FRAME:508×393mm/G4